初めまして、あお在宅・往診クリニック 院長の池田です。
私は今まで、救命救急や外科、集中治療などの診療に携わってきました。主に急性期病院で手術や治療によって患者さんの命を救うことにやりがいと使命感を持って取り組んできましたが、急速に進行する高齢化や新型コロナ感染症の流行などを背景に、医療は今、変革が求められていると感じています。
現在の医療は病気を「治す」こと自体が目的化してしまっており、時としてその治療が誰の、何のための治療なのかを見失うことがあります。「できる治療」を最大限に提供することは必ずしも患者さんの幸せには結びつくとは限りません。2040年には3人に1人が高齢者となる超高齢化社会にあっては、「治す」ことだけに主眼を置くのではなく、患者さんの価値観に寄り添い、その人にとっての最善を一緒に考えるような「支える」医療の役割が重要となってきます。
また、新型コロナ感染症の流行は既存の医療の様々な問題点を浮き彫りにしました。病院を中心とした医療機関での診療が制限され、多くの方が自宅での療養を余儀なくされました。特に、救急搬送困難事例が発生するなど地域のライフラインともいうべき救急医療が逼迫しており、救急医療体制の見直しは喫緊の課題といえます。
これらの問題を解決する糸口として、在宅医療と救急医療の連携が鍵となると考えています。価値観に寄り添って患者さんを支える「在宅医療」と、多様なニーズに応えて地域を支える「救急医療」。これらが一体となってこそ、地域の皆様の安心した生活を支えることができるのではないでしょうか。
私たちは、既存の医療の枠組みにとらわれず「在宅」と「救急」をシームレスに繋ぐ、新しい医療のかたちを目指していきたいと思います。
院長
池田 光憲
Mitsunori Ikeda